A Knife to Remember

A Knife to Remember (Jane Jeffry Mysteries)

現在16冊出ているJane Jeffryシリーズ。これで1~5巻を読んだ訳ですが、相変わらず面白さはピークアウトしていません。

このシリーズの最大の魅力は、漫才にも通じるテンポの良さにあると思います。物語全体に流れる空気はコメディなのですが、本題は殺人事件の謎解きです。「・・そんな訳ないよ。」と思いながらも、筋書きのディテイルが結構しっかりしているのでグイグイ読ませます。それに加え、主人公である未亡人Janeと子供達との関係の描写は妙にリアリティがあって、一つ間違えばただ軽い物語にちょっとした深みを加えています。一方、全くリアリティに欠ける、Janeとハンサムな刑事Melとのお付合いもコージーミステリーのお約束です。この無理な関係がどう展開して行くかも見物です。

コメディ、ミステリー、家族愛、恋愛・・・。色々な要素を統合して、読者の欲求を満たして行く作者に感心します。たかが、コージーミステリー、されどコージーミステリーです。

何故かこの5冊目は入手困難な状態。紆余曲折の末、biblio.comを通じて古本を取寄せました。送料(米国イリノイ州からの航空便)込みの値段が11ドル。個人的には、納得のお値段でした。