マグダランの祈り

マグダレンの祈り
ダ・ヴィンチ・コードを観たら、マグダラのマリアについて興味がわいて、「マグダレンの祈り」という映画を鑑賞する流れとなりました。ストーリーがドラマチックに展開する類の映画じゃないですが、重苦しく続く修道院の様子から、最後まで目が離せませんでした。

映画の舞台は1960年代、厳格なカトリックの教えに従っていた頃のアイルランド。性的に堕落したとされる女性が収容される「マグダレン修道院」に送られた少女達が自由を奪われて、非人道的な生活を強いられる姿を描いた映画です。

この少女達が性的に堕落したとされる理由は、「未婚で妊娠した。」「レイプされた。」「美しすぎる。」など、何とも理不尽なものばかりです。「ふしだらである。」と烙印を押された女性は、親族からも見放され、下手したら一生を塀の中で終えるという運命にあったようです。

DVDの特典映像にある、実際収容されていた女性達へのインタビュー「マグダレンの真実」を観ていると、やるせない構造はこんな感じです。


厳格なカトリックの教えに従う。

性をタブー視する。

性知識が無いまま成長。

少女は襲われても、何が起こってるのか分からない。
(故に、襲われやすい。)
  ↓
「避妊て何?」という状態で妊娠へ。
(そもそもカトリックの教えは、避妊・中絶を認めない。)

少女のみが罪深い事になり、修道院へ閉じ込められる。

何も無かったかのように、始めに戻る。

1996年に最後の施設が閉鎖されるまで、実に3万人の少女がこの修道院で暮らしたそうです。多くの人に、観てもらうべき映画だと思いました。ヴェネチア映画祭で金獅子賞も受賞してます。しかし、例えば私が行くTSUTAYAでは、この映画がR指定(15歳未満視聴禁止)だったりするのが、もどかしいんですがねぇ・・。